僕の勉強計画は、非常に大胆でした。
夏までの勉強時間のほとんどを数学に費やすと決めていたからです。
それも、ほぼ数ⅢCに。
4月の数学の勉強を紹介したいと思いますが、その前に僕の現役時代について少し紹介したいと思います。
現役時代、僕はある大学の理学部を受験しました。
もともと医学部を目指していましたが、センター試験であえなく理学部に照準を変えたのでした。
これは、僕が将来の夢に対して、医学部でなくとも理学部を卒業すればよかったからです。
浪人してもいけるかどうか分からない医学部よりも、
今行けそうな理学部に飛びついたのでした。
センター試験の判定ではA判定(合格率80%以上)なので合格するだろうとタカをくくっていました。しかし、見事に不合格、
その原因は数学にありました。
他の科目は、出来はよくありませんでしたが、理学部の水準としてはまずまずでした。
問題は数学。なにしろセンター試験の勉強ばかりやっていたせいで数学ⅢCはほとんど手付かずでした。
それでも、5問のうち2問完答すれば合格というレベル。
過去問では、ギリギリ2問は完答していました。
5問の中で自分なら解ける問題を死にもの狂いで2問見つけることができたからでした。
しかし、いざ本番、僕は何を思ったか第一問から手を付け始めたのでした。
緊張を解こうと思ったのかもしれません。
しかし、
これがドツボの始まりでした。
第一問目にかなり時間を使った割に完答できず、第二問に移りました。
そして、第三問、第四問と愚かにも順番通りやってしまったのです。
そして、第五問に差し掛かった時、残り20分でした。
この第五問は数Bの問題であり、僕が解かなければならない問題でした。
僕は、
時間さえあれば解けたその問題を時間切れで答えに行きつかず試験を終えたのでした。
得点開示すると、合格にはあと50点必要でした。
あの問題が解けていれば届いたことになります。
しかし、医学部に通う今となってみればあの時の僕に
拍手を送りたい。
あの時、アホなことをしたおかげで今医学部に通うことができている。
失敗はその時は失敗に思えても、後から考えるとそれはむしろ良かったと思えることはたくさんあります。
それは、
その失敗をまず失敗と認め、改善しようと努力し、
もしあの時失敗しなかった人生と、今の人生を比べ、今の人生の方が良いと思えればそれは失敗に意味があったといえます。
失敗は成功の種とはまさにこのことです。
もちろん、僕はあの後、反省しました。
試験で大切なのは、まず問題を見渡し解けそうな問題を見抜くことが大切だとか、
計算力は最後の最後、勝敗を分けるとか、いろいろありますが
最も反省したことは、そんなささいなことではありませんでした。
行き当たりばったりの無計画性、勢いとプライドだけ一人前の能無し。
自分の人生に真摯に向き合おうとすらしてこなかった自分。
そのくせ、自分はどこか特別だ、何かを成せると他人を見下す態度。
あの試験のあと考えていたのはそんな反省でした。
今まで俺はボーっとただ生きていたけど、それじゃだめだ。
自分で自分を把握し、目標を見定め、目標までの道のりをしっかりと自分で考え、行動しなければならない!
そうじゃなきゃ、
仮に試験を突破しても同じことだ!と思ったのです。
そこから、浪人したら宅浪だ、というぼんやりした考えが急に輪郭を帯びてきたのでした。
今まで考えたこともなかった「目標のためには何をすべきか」という問題に取り掛かりました。
僕の人生で初めて脳みそを使い始めた瞬間でした。
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